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「せどり」という言葉は、本の背表紙から生まれました

本を仕入れて売る仕事を5年やっています。

自分がいまやっている本せどりは、実は最新の商売ではありません。江戸時代から続いていて、その時々で形を変えてきただけです。

これを知っておくと、自分がいまどこに立っているのかが見えます。今日はその話を書きます。


「せどり」の語源は、本の世界にある

意外と知られていないんですが、「せどり」という言葉の語源は、本(古書)の世界にあります。

江戸時代から続く古書店業界の専門用語で、説がいくつかあります。

「背取り」説……本の背表紙を見て、価値ある本を棚から抜き出す行為が由来。

「競取り」説……古書組合の競り売り(束売り)で本を競り落とし、必要な本だけを抜き出す行為が由来。

どちらにしても、出発点は「本の背表紙を見て、価値あるものを抜く」という動きです。

自分たちがいまブックオフでやっていることと、まったく同じです。何百年も前から続いている動きを、そのままやっているわけです。

「せどり」はその後、家電にもトレカにも広がっていきました。でも出発点は本です。本せどりは、せどりの原点なんですよね。

【余談】せどりが描かれた漫画があります

『金魚屋古書店出納帳』(芳崎せいむ/少年画報社・全2巻)に「セドリ屋」さんというエピソードがあります。

古書店業界のせどり文化が描かれていて、本せどりの原風景みたいなものが覗けます。興味があれば。


江戸時代から今までの流れ

江戸時代:ルーツ

古本屋の仲介業者「競取り・糶取り」がルーツです。

品物を取り次いで手数料を得たり、掘り出し物を安く仕入れて高く売る。この商行為が「せどり」と呼ばれていました。

1990年代:実店舗せどりの全盛期

ブックオフなどの大型中古書店がチェーン展開しました。

相場より安く放置されている本を、個人が買い占めて愛好家や専門店に売る。このスタイルがここで確立します。

2000年代:ビームせどりの時代

ヤフオク!やAmazonが登場して、個人が全国に向けて出品できるようになりました。

そして、この時代を象徴するものが出てきます。バーコードリーダーです。

古本屋で本のJANコードを読み取って、Amazonとの価格差を瞬時に判断する。KOAMTAC社の小型バーコードリーダー「KDC200」が圧倒的なシェアを取って、これでスキャンする行為が「ビームせどり」と呼ばれるようになりました。

当時の話を聞くと、なかなかすごいです。

ブックオフの開店待ちでビームせどらーが行列をなし、20%オフセールのときには棚一面が占領されていたそうです。

いまでは、昔話です。

2010年代:メルカリとセット本

2013年にメルカリがリリースされました。スマホで誰でも本を売り買いできる時代です。

同じころ、ブックオフの店内に「店内でのバーコードリーダー使用はご遠慮ください」の貼り紙が増えていきます。ビームせどりは、少しずつ姿を消していきました。

その代わりに広がったのが、いま自分もやっている手法です。

メルカリで漫画の需要が高まって、リサーチツールも充実してきた。そこで、ブックオフでバラ売りされている単巻を集めて全巻セットにして売る——「セット本せどり」が広がっていきました。

2026年:データとツールの時代

いまは、テクノロジーが個人を後押ししてくれる時代です。

Amazon FBAのような物流代行を使えば、在庫管理から配送まで自動化できます。リサーチツールも進化して、スマホひとつで相場確認から出品まで完結します。

個人でもプロ並みのオペレーションが回せる。これまでで一番、動きやすい環境が整っているのがいまです。


いま本せどりに起きていること

いま、本せどりにはSNS発の「初版本ブーム」が来ています。

初版本に価値があると知った人たちが、ブックオフの初版本コーナーに殺到している。本せどりというジャンル自体に注目が集まっています。これ自体は、とてもいい流れだと思っています。

ただ、ここにひとつ壁があります。

初版本は、そう簡単に見つかりません。

初版本コーナーに何度通っても、目当てのものにはなかなか出会えない。初版本だけを追いかけると、本せどりは運ゲーになってしまいます。

じゃあ、どう向き合うか

自分からは、こんな楽しみ方を提案します。

① 新しく入荷した商品だけをチェックする

ブックオフは買取が常に回っている場所です。新しく入ってきた商品の中に初版本がないかを探す。これは楽しみ方として面白いです。

② 投資的な視点で持っておく

「これから価値が上がるかもしれない」という、投資的な考え方で押さえておくのも一つの手です。

でも、それだけだと続きません

これらは、簡単に見つかるものではないからです。

だからこそ、まずは本せどりの基礎的な知識と技術を身につけてほしいと思っています。

技術を自分のスキルとして手に入れて、着実に稼ぎながら、初版本探しも並行して楽しんでいく。そうすれば一石二鳥で、もっと楽しくなります。


400年前、古書店の人が背表紙を見て価値ある本を抜いていた。

自分がいま、ブックオフの棚の前でやっていることと、何も変わりません。道具がバーコードリーダーからスマホに変わっただけです。

そう思うと、この仕事はけっこう息が長いなと思うんですよね。

時代の変化とともに、手法も変わっていきます。

変化についていけるように、柔軟に変化していける思考を持ち合わせていたいです。

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